今年の夏、フランス・ニースに行ったときのことです。
夕食に、ホテルの近くの"LA TRATTORIA"というレストランに入ってみました。
ここはピザがうりのイタリアン・レストランで、
入り口近くにピザ釜があり、職人がピザの生地をこねていました。
ニースは魚介類が新鮮で、レストランといえばイタリアン・レストランでした。
そもそも、ニース滞在中にフレンチ・レストランを見かけなかったような気がします。
まずはテーブルワインを注文。
1グラスではとても足りないので、3/4ボトルを注文。ちょっと量が多かった。
席に案内されると、隣の席には70過ぎの老夫婦がいた。
彼らは鍋一杯のムール貝白ワイン蒸しをそれぞれ注文し、実に美味そうにムシャムシャと食べていた。
それにしてもムール貝の量が半端ではない。ゆうに飯釜一杯以上はある。
日本なら三人前以上もある量だが、隣の婆さんが一人で食べられる量なら、
私も大丈夫だろうということで、私もムール貝白ワイン蒸しを注文。
ムール貝は新鮮で甘みがあり、それにレモンの酸味と玉ねぎの甘み、貝から出たスープがからみ、なかなかの味でした。
これでまだ半分。お腹も一杯になり、だいぶ飽きてきました。
フレンチポテトでお口直しをしながら、なんとか完食。
一体、いくつムール貝を食べたのだろう。ずいぶん沢山の生命を食べたものだ。
隣の老夫婦は、おしゃべりしながら、まだムール貝を食べている。
私とは違ったゆっくりとした時間が流れているようだ。