本多静六に学ぶ --サラリーマン的投資法-- |
本多静六は東京帝国大学農科大学教授として、明治〜大正時代に活躍した造林学者です。
本多静六は日比谷公園の設計を筆頭に、水戸の偕楽園、小諸の懐古園など全国の主要な
公園を設計・改造したことで知られ、「日本の公園の父」とも呼ばれています。 また、本多静六は学者であるかたわら、こつこつと蓄財し、巨万の富を築いたことでも 知られています。そして、その富のほとんどを公益関係に寄付してしまったのです。 彼の蓄財法は「四分の一天引貯金」と言われるもので、どんなに生活が苦しくても給料の 四分の一を貯金してしまいました。 そしてあるていど貯蓄ができると、これを株式や山林などの不動産に投資していった のです。 本多静六は「金というものは雪達磨のようなもので、初めはホンの小さな玉でも、 その中心となる玉ができると、あとは面白いように大きくなる」と言っています。 つまり、「四分の一天引貯金」により「雪達磨の芯をつくり」、これを有利な事業に投資 することで「雪達磨の坂落しみたい」に資産を大きくしていったのです。
本多静六の蓄財術については、本多静六著 「人生と財産」
に詳しく書かれています。
2.いくらか貯まったところで、巧みに投資に回すこと。 3.無理をしないで最善をつくし、辛抱強く時節の到来を待つこと。 どれも平凡で当たり前なことですが、彼はこの平凡で当たり前なことを実践することで 巨万の富を築いていったのです。 彼は、「平凡こそもっとも確かであり、効果的であり、間違えのない法である。」 と言っています。つまり、彼の蓄財の奥義は、特別な才能を持った限られた人だけが 実践できるものではなく、我々凡人でも実践できることを示しているのです。 そもそも「人生と財産」は、「金を馬鹿にする者は、 金に馬鹿にされる。財産を無視するものは財産権を認める社会に無視される」とし、財産権 を認める社会での処世術について書かれた本です。 この本には、お金とのつき合いかたの他に、社会生活を送る上での心構え、仕事の取り組み方、 人との接し方に関する処世術が本音で力強く書かれています。 我々サラリーマンにとって、是非とも読んでおきたい一冊です。
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